どうも、降年を回避した2年の森村です。
8月13日から25日まで、日本3大怪魚のうち2魚種である
ビワコオオナマズとアカメを狙い、遠征してきました。
メンバーは熊井さん、正木、僕の3人。
約2週間という長期にわたるハードな釣行でしたが、
「3大怪魚制覇」という熱い野望を胸にじりじりと目標に迫っていく
なかなかドラマティックな遠征になったと思います。
で、すみません、熱が入りアホみたいに長くなってしまったので
前編:ビワコオオナマズ
後編:アカメ
というふうに分けさせていただきます。
では前編、ビワコオオナマズを狙う6日間の戦いをどうぞ。
で、すみません、熱が入りアホみたいに長くなってしまったので
前編:ビワコオオナマズ
後編:アカメ
というふうに分けさせていただきます。
では前編、ビワコオオナマズを狙う6日間の戦いをどうぞ。
~遠征1日目~
いよいよ怪魚に対峙するという高揚感に包まれ、期待に胸を膨らませながらポイントへ。
しかし。
ポイントについた我々を持っていたのは、想定とは大幅に異なる状況。
詳しくは書けませんが、明らかに釣りができる状況ではない。
ひとまずポイント周辺でなんとか竿を出せそうな場所を見つけ、
エサとなる小魚釣りに取り掛かる。
だが釣れぬ。
日没後まで粘るも一切の反応を得られず、
絶望感とともにファミレスへ向かい作戦会議。
晩御飯を食べながら情報収集したところ、この状況を引き起こした原因、
そしていつ改善されるかは自然次第ということが判明。
ポイントを大きく変えることも考えたが、結局下手に移動せず様子を見ることに。
そして徒歩と電車で寝泊まりするネットカフェへ12時ごろ到着、
肉体的にも精神的にも疲弊し倒れこむように眠りについた。
~遠征2日目~
釣りができないことはわかっているので、9時半頃にマックで朝食。
この日は釣具屋に行き、店員にビワナマの話を聞くとやはり今は無理とのこと。
詳しい話も聞けたし、何より釣具屋自体が良いお店でちょっと元気に。
昼食をとったのち、結局昨日のポイントへ行ってみることに。
振り返ってみると、この状況でこの選択は正解だった。
小魚が爆釣し、エアポンプ故障というアクシデントはありながらも
日暮れとともにビワナマ狙いのぶっ込み釣りを開始することができた。
そして、仕掛けを投入してから1時間ほど経過し、
すっかり日が暮れた水辺にいきなり鈴とドラグの音が。
慌てて自分の竿に近づき、じっくり食い込ませるも無念のすっぽ抜け…。
エサをくわえたままの魚が一瞬だけ水面から飛び出たのが見えたが、
おそらく50upほどのバスだった。
これに活気付いた我々は気を引き締め直して再び待つ。
すると今度は熊井さんの竿にあたりが。
今度はさっきよりもさらに待つ。時々ドラグが出る。しかし乗った気配がない。
仕掛けを上げてみるとエサが取られていた。
この後は、高知アカメ遠征の帰り道に寄ったという、
我々と逆ルートの釣り人に会って話が弾んだり、
パニック状態の鹿に激突されかけたり、
正木がダウンしたり、豪雨の中で車を借りることを決意したりした。
だが、アタリは来ることなく朝を迎えた。
~遠征3日目~
疲れ切った我々は、朝一番の電車に乗り、
夜のうちに見つけて心の支えにしていた銭湯へ向かった。
これがめちゃくちゃいいお湯で、ねぐらであるネットカフェで爆睡して完全復活し、
車も借りて改めて釣りに向かう。
そしてこの頃には、例の状況が落ち着いてきていて、
少しずつ希望が見えてきていた。
だが、それで釣れたかというと現実は厳しかった。
今度はエサにする小魚が釣れず、
せっかく釣ったエサも根掛かりでロストしまくる。
そして再び降りしきる豪雨。
完全に戦意を喪失してしまい、
また銭湯に入ってそのまま車中泊。
~遠征4日目~
状況は落ち着いてきたとはいえ、
まだまともに釣りができる感じではなかったので、
車を使って少し離れたポイントも見に行くことに。
釣りはせずポイントを次々に見ていったが、
55upほどのバスを見られただけでめぼしい成果はなし。
だが、我々がこうしている間に状況は急速に改善していた。
昨日まで攻めていたポイント付近に入ると、
打って変わって釣りしやすそうな状況に。
この日はなんとか小魚も仕入れられて(コツがわかってきた)
今まで入れなかったポイントで17時ごろから釣り開始。
劇的に良くなった状況。今日は雨もまだ降ってない。
否が応でも期待は高まっていく。
水辺にレジャーシートを引き、
魚名でしりとりという最高にイカ東な遊びで時間を潰す。
すると、森村の鈴が鳴った。
この瞬間を待ちわびていた我々は思わず駆け寄った。
じっくり待つも、エサを放してしまった様子。
仕掛けを引き上げると、鱗ははげボロボロになったエサがついていた。
期待はますます高まった。
魚しりとりを続けながら、その時を待つ。
20時半ごろ。ついにその時が来た。
正木の竿の鈴とドラグが鳴る。
…ジッ
…ジッジッジッ
…ジャーーーーーー!!
一気に糸が引き出される!ドラグが止まらない!
全員飛び上がり、正木は渾身のフッキング!
(実際には慌ててドラグを閉め忘れ、スプールを押さえていたらしいが。笑)
手前の岩をコルトスナイパーのバットでかわし、
熊井さんが近づいて来た魚体を照らす。
「ナマズ、ナマズ、ナマズ!!」
ランディングされたのは、釣友会新記録となる81cmのビワコオオナマズだった。
魚が釣れて、しかも他人が釣って、こんなに喜んだのは初めてだったかもしれない。
思わず3人で円陣を組んで喜びを爆発させた。笑いが止まらない。
序盤からまともに釣りができない状況に直面し、
雨に打たれ、エサ確保に苦労し、夜も寝ず、
ネカフェ泊やら車中泊やらで疲れも取れないまま釣り続けるのはやっぱり大変で、
それを乗り越えて3人で獲った魚という感じがした。
手短に計測と写真撮影を終えリリース。
神々しく光る青白い魚体を揺らし悠然と帰っていった。
感動をくれた魚に感謝。
だが、この夜はこれだけでは終わらなかった。
3時間ほど後に、熊井さんにもドラグが止まらないアタリが。
しかしオモリが根に掛かり獲ることはできず。
その後も魚っ気は消えず、熊井さんはニゴイをゲット。
正木はエサ回収中になぜかバスを釣ってひんしゅくを買う。
状況が良くなったタイミングで魚の活性も高かったのだろう。
しかし日付を越えた頃から雨が降り出し、撤退。
~遠征5日目~
誘惑に負け銭湯に課金して睡眠をとったのち、小魚を仕入れに。
この遠征ではエサ確保とその管理について学んだことが多かった。
この日も新しいポイントに入った。
が、ドラグはたまに出るものの食い込まず、見切りをつけて昨日のポイントへ。
昨日のポイントに入ると、ビワナマ狙いの地元ルアーマンにお会いし、
ビワナマの習性やルアー、ポイントなどいろいろ教えていただいた。
デカい魚、珍しい魚を追い続けている方って、独特のオーラを放っていて、
思わずこちらが背筋を正すような威厳を感じる。
そうこうしているうちに熊井さんの竿に再びアタリがあるも、
うまく食い込まなかったようですっぽ抜け。
ボロボロのエサを前に熊井さんはとても辛そうな表情を浮かべふて寝。
この後、正木が根掛かった森村の仕掛けを外すのを手伝ってくれていると。
うまく根から外した正木が「魚ついてる!」と手渡してきた。
あまり引かないがとりあえず期待しながら丁寧に上げてくる。
近づいた魚体を照らしてみると…
「ナマズだっ!!」
しかし!
アメリカナマズ、、
嬉しいは嬉しいが素直に喜びきれん。
そのあとは生き餌が死んでしまったため、
どなん流に小魚を切り身にしてぶっ込む(やけくそ)。
エサになりそうなものを求めて僕はコンビニへ。
帰ってきて車から降り、ふとiPhoneを見ると
「森村早く帰ってこい!」
「ドラグクッソ出た」
の通知が。
転がるように水辺へ駆け寄り、十分食い込む時間があったようなので合わせるも不発。
その後はこの遠征一番の豪雨と雷で退散。
~遠征6日目~
長かったビワナマ狙いもついに最終日。
だんだんと1日の中でいつ何をすべきかがわかってきて、
効率よく行動を組み立てられるようになってきた。
小魚釣りをサクッとこなし、買い出しやレンタカー返却を済ます。
そしていつものポイントへ。
なかなか反応が得られないなか待っていると、
先日のビワナマ師の方が様子を見にきてくださった。
しかも差し入れのジュースとおにぎりまでいただいた。本当に感謝。
聞くと、やはり状況はベストではないそう。
6日間の疲労は着実に3人を眠りの渦へ引き込もうとしていた。
正木はもはや水辺の小石の上でもぐっすり眠れるようになっていたし、
熊井さんは全てを諦めた様子でうとうとしている。
この遠征でメンタルが無限に強化された森村だけがぽつんと座り、
ビワナマのアタリを待っていた。
そして奇跡的に、再びその時は訪れた。
熊井さんのドラグがわずかに引き出され、熊井さんを起こす。
しかし、しばらく待機するもあとが続かず、再び熊井さんは眠りの中へ。
10分くらい経っただろうか。
…ジッ
…ジッジッジッ
…ジャーーーーーー!!
もうビワナマのアタリは明確にわかるようになっていた。
熊井さんを叩き起こす。合わせを入れる。決まった。
実はこの時、熊井さんは先日のバラシの教訓として
捨てオモリ遊動式の仕掛けにしていた。
これが奏功し、一度はオモリが根がかるもファイトを継続できた。
そして…
80cmの美しい魚体。堂々たる青白い体色は神秘的なほど。
あとは自分が釣るだけ。焦燥感が募る。タイムリミットまであと4時間。
そして、2時間ほど待っただろうか。
静かに鈴がなる。だがそのあとが続かない。
食い込ませる。じっくり待つ。待つ。待つ。
…ジッ
…ジッジッジッ
…ジャーーーーーー!!
15分くらい待ったと思う。
針がかりを確信して合わせを入れる。
しかし、重みは乗らなかった。
今思えばこの遠征でまともに合わせを決められていない。
ある程度すっぽ抜けはあるだろうが、同じ仕掛けで
これだけ待ったのに針がかりしないとは……。
上がってきたのはボロボロにされた小魚と、
ビワナマの歯で擦れたハリス。
朝まで粘るも反応はなかった。
疲労と睡眠不足と後悔が一挙に押し寄せ、
ふらふらになりながら電車に乗った。
*注:森村です。
次に目指すは四国、高知。
(後編へ続く)
(後編へ続く)