2025年2月12日水曜日

霞面師たち

 B4の髙橋です。

先日、台湾で霞面こと高身鏟頜魚を釣ったのでその様子を報告します。日本語での釣り方解説はまだあまりないと思うので参考になれば幸いです。

霞面釣り1日目

天気:晴れ 気温:20度くらい 時間:10時から16時

私が霞面を狙おうと思ったきっかけは、タナゴ釣りのために図書館で借りてきた『台灣淡水及河口魚圖鑑』でその姿をみたことでした。日本ではなかなか見られないクチマガリ独特の顔つきを是非手に取って見たいと思い早速インターネット等で情報を収集したところ、ポイントはいくつか見つかりましたが肝心の釣り方がよくわからない...

私が調べてわかったことは大きく3

①針は小さいものを使う

②餌は食パン

③釣り方は浮釣りかミャク

以上の情報をもとに道具を揃えて、とりあえず食パン片手に調べたポイントに向かいました。





1日目に使用した仕掛けの概要

ポイントに到着して上から眺めたところ、早速霞面の姿を確認。いるのがわかればやる気が湧いてきます。流れがあるのでミャクを選択し、慣れない長竿(約6.2m)で仕掛けを投入するとちらほらと当たりを確認できました。

おそらく粗首鱲

11時くらいになると、地元の霞面師たちが続々とやってきました。(男性3人組とおそらく家族5人くらいの計10名弱)外国人の私でも調べればわかるポイントなのでおそらくメジャーポイントなのでしょう。

彼らも同じくらいの長さの竿で釣りを開始。するとものの10分ほどで早速霞面を1匹釣り上げます。

私はこの時点ですでに釣り開始から1時間経過していたため、なにかが間違っていることを悟りました。

その後も地元の釣り人たちは続々と霞面を釣り上げていき、一方で私は1匹も釣れませんでした。帰りのバスの都合で16時に撤収しましたが、その時点で彼らのビクには30匹ほどの霞面がいました。

宿に帰ったのち、今日の反省+明日の作戦を考えました。他の釣りのことも考えると日程的に霞面に掛けられる時間はあと1日。ポイントは正解なのであとは釣り方を詰めるだけです。

地元の釣り人の仕掛けや現地で拾ったごみを観察した結果わかったことは以下の通り

①針のサイズ・糸の太さは問題なし

②食パンはあらかじめカットして首から下げたタッパーに入れておく

③仕掛けは段差2本針の浮釣りないし流さないミャク

以上を元に私が宿で作り直した仕掛けがこちら



私は浮釣りが得意なので浮釣り仕掛けに変更。さらにパン(薄いものが良い)も宿で事前にカットしてタッパーに入れておきます。カットの仕方は、まず耳を落として白い部分だけにして(耳はあとで水に溶かして寄せ餌にします)、白い部分を手のひらで押して平たく伸ばします(この時点で若干もとのパンより薄くなった四角い板状になるはず)。潰すと若干粘りが出るのでそうなったら大体1センチ角の正方形にカットします。


霞面釣り2日目

天気:曇り 気温:15度くらい 時間:10時から16時


今日も来てすぐは誰もいませんでした。お店の営業開始時間等からも台湾人の朝は日本人よりも遅いようです。

霞面は相変わらず苔を食んでヒラ打ちしています。その様子はまるで鮎のようです。姿を確認できたので早速釣りを開始しました。

餌のパンについて、1日目は手でこねて丸めて針に刺していたのですが、現地の釣り人がやっていたように小さい板状にカットした食パンをちょん掛けして仕掛けを流れに乗せます。口が下向きについているのでおそらく底を這わせるのがいいだろうと思い、ウキ下は水底に針が触る程度(ウキの動きとしては時々軽く引っかかって止まりながら流れる感じ)に調整しました。


現地の記事によると霞面は雑食性であり、食パンは虫に見えている(ぶどう虫的なものでしょうか)とのことなので、虫をイメージしつつパンを水底付近にひらひらさせながら、直径1メートル程度の大きめの石の裏に差し掛かったところでウキが1回ちょこんと沈みました。

すかさず合わせを入れると、魚の感触が!左右に走ったのち上がってきたのは小ぶりながら狙いの霞面でした。

およそ20センチ

一度コツを掴んでしまえばあとは2匹3匹と釣れ続け...

16時までにポツポツと計9匹釣ることができました。小ぶりでしたが数釣りが楽しめてよかったです。

今日の最大(およそ35センチ)

実際に手に取って観察してみると、この魚は本当に面白い魚です。

体色はカネヒラを思わせる水色・桃色のグラデーション

個性的な口。苔を食むことに適しているのであろう。
体高が高いのも良い。尾鰭の切れ込みは遊泳力の高さを窺わせる。

釣り味の詳細:当たりとしてはちょこんと1回ウキが沈むパターンとひったくるような横向きの当たりがありました。ヒキは大きさの割に強く、石の間を縫いながら左右によく走ります。この魚の最大サイズ(50センチほどといわれている)がかかっていたなら獲れるか微妙でしょう。同サイズのネリゴくらい引くと思います。

2日目は充実の釣果で無事帰路に着くことができました。ちなみに釣れた霞面は、隣で釣っていた家族(1日目とは別の人たち)が欲しいとのことだったのであげました。食べるらしいです。


最後に

ブヨに噛まれたり野犬に追われたりとやや苦戦しましたが、狙いの魚の釣り方を掴めてよかったです。最後になりましたが親切にしてくれた現地の方々ありがとうございました。多謝!


番外編:その他の台湾で出会った魚たち(当方素人なので種類ちゃんとわかる方いたら教えてください)

革條田中鰟鮍 
台北の公園の池にいるとの前情報があったが、結局田園地帯の水草の茂るいい水路で採取

橘尾窄口鲃
himantegusと同所にて多数採取(移入)

齊氏田中鰟鮍 
小川の脇の草の隙間の浅瀬にて採取。たまたまと思われるがhimantegusと異なり流心ではみられなかった。

長鰭馬口鱲?
婚姻色が出ていないのでわからないがもしかしたら日本のオイカワ(台湾では移入種)かも

臺灣縱紋鱲
どことなく雰囲気が違うカワムツという印象。生息環境もカワムツと大体同じ。

何氏棘鲃 
チェイスはあるが食わず。いっぱいいた。

史尼氏小鲃(中部型)?
河川中流域の草むらの浅瀬で採取。同定怪しい。

史尼氏小鲃?
止水の水路の浮き草の下にて採取。同定怪しい。

高身小鰾鮈?
河川中流域砂泥底にて採取。同定怪しい。

短吻小鰾鮈?
同上。同定怪しい。

臺灣石 
至る所にいた。

鯽 
キンギョ?

絲鰭毛足鬥魚
公園の池にて採取(移入)。

線鱧
草むらの浅瀬で採取(移入)。

その他カダヤシ・グッピー・ティラピアなどなどの移入種多数